「ANIME FANTASISTA JAPAN 2024」の第1日目のトークプログラムでは、レジェンドアニメーター・井上俊之さんを大きく取り上げています。ここでは登壇者を代表してそんな井上さんに、本イベントについての率直なご意見をうかがうとともに、各トークプログラムとそのご登壇者についての印象を語っていただきました。「ANIME FANTASISTA JAPAN 2024」をより楽しむための手引きとしてご活用ください。
アニメ・ファンタジスタと「SAKUGA 描く人」
――「ANIME FANTASISTA JAPAN 2024(AFJ24)」の最大の特徴は、IPやキャラクターといったマーケットの領域を支える制作者たちと、クリエイティブの現場である制作会社にフォーカスしたアニメ系イベントである点です。本イベントでは、そんな現場の制作者たちを「ANIME FANTASISTA(アニメ・ファンタジスタ)」と命名し……。
井上 「ファンタジスタ」というのは、どういう意味になるでしょうか?
――主にサッカーの世界で用いられる、「高い技量と創造性を持ったスーパープレイヤー」に対する“賛辞”の言葉でしょうか。
井上 そうですよね。かなり特別な人を指す言葉だと思うから、僕程度が「ファンタジスタ」と呼ばれるのには違和感がある。
――もちろん、井上さんはご自身のことを“職人”とご謙遜されていることは知っていますが……。
井上 だから「アニメ・ファンタジスタ・ジャパン」の特集で、『井上俊之の作画遊蕩』(KADOKAWA、2024年)を取り上げるなんて言われると「人選間違えてないか?」と思う(笑)。
――ただ、そうした現場の制作者たちこそが、アニメーション作品の魅力を創り上げてきた真の功労者であり「ファンタジスタ」である、というメッセージは「AFJ」の柱で、これまでの日本のアニメ系イベントからは抜け落ちがちだったテーマだと思うんですね。
井上 確かに海外にはそういう文化が根付いてますからね。日本のアニメーターが、トークショーなりサイン会なりで海外のアニメイベントに招待されるというのは昔からよくある。今年、押山(清高)くんがアヌシー(国際アニメーション映画祭)に行ったときも、アニメーターなど個々の制作者に対するリスペクトを感じたと言っていました。海外では国からの支援や助成も多いし、ファンも熱心で日本だとそうそう聞かれることのないような踏み込んだ質問が寄せられる、と。この話は、僕が海外のアニメファンや研究者と接する中で受けてきた印象とも近い。
――日本国内を振り返ると、行政の政策に対しても、最も支援すべきはずのクリエイティブの現場や制作者たちに対して十分には目を向けて来なかったのではないか、という声も聞きます。また「映画祭」のような場であっても、「作家」として取り上げられるのは、実写映画の慣習に倣い「監督」が中心となっている。
井上 TAAF(東京アニメアワードフェスティバル)には僕のようなアニメーターもよく呼ばれるし、各セクションに対する顕彰もあるけど、そこだけに特化してるわけではないですからね。
――もちろんそれぞれに独自の意義がある中で、現場の制作者たちと、その仕事への賛辞をテーマに掲げたアニメ系イベント、ことに“武蔵野市”という自治体が後援するそれは、長年求められていながら実現されてこなかったものだと思うんですね。その意味で、既存の政策や映画祭を補完しながら協働していけるイベントに育っていければいいなと願っています。
井上 「アニメスタイル」なんかが阿佐ヶ谷の地下(Asagaya LOFT A)でやってきたことを、自治体が支援するというところに意義があるというのはわかる。
――実行委員会をご後援いただいている武蔵野市や武蔵野商工会議所・観光機構・市民社会福祉協議会は、これまでも「吉祥寺国際アニメーション映画祭」や「アニメノマンガノムサシノ」というイベントを主催・協賛されてきました。また武蔵野市は、多数のアニメーション制作会社が存在するコンテンツ産業の集積地でもあります。そんなアニメに寄り添ってきた街・武蔵野市で、市内にある多数のアニメスタジオさんにご協力いただくことではじめて「AFJ」は成立しました。
井上 だから今の日本にあるべきイベントだというのは同意できるんだけど、やっぱり僕が「ファンタジスタ」と呼ばれるのは引っかかるんだよなぁ(笑)。何度も言うようで悪いんだけど、「ファンタジスタ」というのはそれこそ宮崎駿さんのような存在を指す言葉だと思うから。
――井上さんはかつて、武蔵野市の架空の制作スタジオを舞台とした『SHIROBAKO』(14-15年)で、ベテランアニメーターが劇中で描く馬のシーンの作画を担当されましたよね? あれこそまさに、昔の人だと軽んじられていた職人的な老アニメーターが、実はファンタジスタだった、という物語だったと思うんです。
井上 ……まあ、そうとも言えるでしょう(笑)。
――『SHIROBAKO』では他にも、個々の制作者たちの創意工夫が数多く描かれていました。そのように現場における一制作者の方々が、実はアニメ作品に魅力を吹き込む誇らしい仕事をしていて、その輝かしい創作活動への賛辞として、「ファンタジスタ」という言葉が捧げられているのですが……。
井上 う~ん。まあ確かに、僕が業界入りしたときに、森康二さん【注:『SHIROBAKO』のベテランアニメーターのモデルの一人と目されるレジェンド】たちに対してそう感じていたように、もう年齢的に若手からそう見られる立場なのは仕方なかろうと思うので、強くは否定しませんが……。
――その意味でも、第1回となる今年の特集として、監督や作品のコアメンバーとしてではなく、あくまで一アニメーターとして今なお現場に立ち続けている井上俊之さんこそが相応しいと思うんですね。
井上 そうですか……。わかりました。今回に限っては、甘んじて受け入れることにします(笑)。
――お力添え大変にありがたいです。なお、今回のメインステージのテーマは「SAKUGA 描く人」と銘打っています。大前提として、美術や撮影、3DCGといった各セクションの制作者たちも、作画と遜色なく創造性に富んだファンタジスタであることはあらためて強調させてください。しかしにもかかわらず、第一回となる今回のテーマは、「SAKUGA 描く人」としました。それには『井上俊之の作画遊蕩』の刊行も含め、この夏、“描く人“をモチーフにした注目作が並んだという背景があります。
井上 『作画遊蕩』は置いておいても(笑)、押山くんの『ルックバック』(24年)やちなくんの『ファーストライン』(24年)が立て続けに公開されましたからね。
――ぽぷりか監督の『数分間のエールを』(24年)も、広い意味での“描く人”へのエールであり、ファンタジスタをモチーフにした作品でした【注:3DCG作品であるため今回のご登壇はないのですが後日、公式サイトにちなさんとの対談記事が掲載予定】。その意味でも、この2024年に「アニメ・ファンタジスタ・ジャパン」が立ち上がるということには、何か運命的なものを感じています。
井上 海外でも一時3DCG一辺倒だったのが、近年は“手描き“が復権してきてるでしょう? 日本でもここ数年で、“描く人“というか、“手描き”にしかない魅力のようなものの見直しが進んでいて、その一つの結果が出た一年のようには感じますね。
FEATURING 「ANIME FANTASISTA 」
――続いて8月11日(日)の井上さんがご登壇される「FEATURING 『井上俊之の作画遊蕩』」のプログラムについてお話をうかがわせてください。
まずは、STUDIO 4℃(武蔵野市)の初劇場作品『彼女の想いで』(95年、『MEMORIES』の中の一篇)をテーマにした、井上さんと今村亮さんの対談「『彼女の想いで』から考える」ですが、異色の組み合わせです。ただ以前、井上さんは『今村亮ラクガキ画集』(スタイル、2024年)を見て、その絵を高く評価されていました(https://x.com/181ino/status/1749009333193732110)。
井上 あの本はとてもいいと思いましたね。
――また同時に、今村さんも井上さんがキャラクターデザイン・作画監督を務められた代表作の一つ『彼女の想いで』を一番好きなアニメーション作品だと語られています(https://x.com/jusjusojus/status/1749025194935828783)。一見したところの作風は異なるお二人だと感じますが……。
井上 確かにそうなんですが……ただこれまでも、僕がいいなと思う絵を描く人から自分の絵も好かれる、という経験はたびたびあって。そういう意味では、僕が今村くんの絵に魅力を感じるということは、どこかしら通じるところがあるんだと思う。
あと今村くんがSNSに上げていた、一人全原画みたいなPVも非常に好ましくて(https://x.com/jusjusojus/status/1673271819414175744)。4コマ打ちの気持ちよさ、間を説明しないことの魅力に気づいてる人だと感じた。下手に説明的な中割りを入れてしまうくらいだったら、4コマ全原画のほうがいい。だから当日はコマ打ちの話なんかもできたらいいですね。
――なお、トークに先立つ本イベントの最初のプログラムでは、「LIVE SAKUGA」と銘打った制作実演を行います。そこでは『彼女の想いで』で実際に井上さんが描かれた作画監督修正を使って、不足していた動画を4時間かけて描き上げていただきます。
またSTUDIO 4℃さんの保管していた原画や作画監督修正、さらにはそのセルなどが、30数年の月日を経て登場します。当日はそれらの展示を行うだけでなく、物理的に“触れる”ことができる体験コーナーも「LIVE SAKUGA」内にご用意します。
井上 僕も『彼女の想いで』での自分の絵は久しく見てないですけど、本物の素材に触れられるのはいい経験になりますからね。セルも退色せずに残ってるなら、見れるうちに見ておいたほうがいい。
――井上さんも是非直接ご覧ください。そして8月11日(日)の二本目のトークプログラムが、押山清高監督と小島崇史さんとの「『フリップフラッパーズ』から『ルックバック』へ」。“描く人”をモチーフにした、FANTASISTAへの讃歌でもある『ルックバック』が話題を呼んでいる押山清高監督と、その初監督作であるStudio 3Hz(武蔵野市)制作の『フリップフラッパーズ』(16年)でキャラクターデザイン・総作画監督を務められた小島崇史さん、そして両作に参加されている井上さんによる鼎談プログラムです。特に小島さんがこうしたイベントにご登壇されるのは、今回が初となるのではないでしょうか。
井上 小島くんはアニメーターとしての能力の高さが際立ってますよね。画力、器用さや幅広さ、処理能力……それでいて記号的にもなり過ぎず、新しい描き方にどんどんチャレンジしてるように感じる。
――小島さんの仕事で気になったものはなんですか?
井上 『四月は君の嘘』(14-15年)や『フリップフラッパーズ』の仕事で注目するようになって、その後も『ドラえもん(のび太の新恐竜)』(20年)や『ONE PIECE』なんかで目覚ましい活躍をしてますよね。極めつけはサイエンスSARU(武蔵野市)の新作『きみの色』(24年)。まだ予告編しか観てないですけど、レベルの高さがひしひしと伝わってくる。
――押山監督についてはいかがですか?
井上 押山くんには、まずは“手描き“についての想いを聞いてみたいかな。僕は手描きアニメーションにしかない魅力があると信じてますけど、『ルックバック』もそういう作品だと思ったから。『ルックバック』で多用されている背景動画なんて、正確に描くだけなら3DCGを使ったほうがいい。でも、一部3DCGをベースに使ってるところはあるだろうけど、押山くんは本当はすべて“手描き”でやりたかったんじゃないか。“手描き”というアニメーションの根源的な魅力みたいなものを、どこまで自覚的に目指していたのかは聞いてみたいですね。
合わせて、もしもっと制作期間があったら、どこかに何かを足したいと思うのかどうかも気になる。仮に足したかったとしても、撮影処理を乗せようとは考えないと思うんだよね。
――絵の力だけで完成されている。
井上 本当にそう。原画の線を完成画面に残すという原動画制もそうだし、撮影処理を乗せて絵であることを忘れさせるのではなく、“手描き”の力を信じていいんだ、アニメーションの原点に還ってもいいんだという確信を、僕は『ルックバック』の完成映像を観てあらためて持つことができた。
あとはやっぱり、レイアウトキーポーズ制【編注:レイアウト時には「背景原図」と「キーポーズ(=最小限の枚数からなるラフ)」を補足的な言葉とともに描くだけの制作システムを指す、『井上俊之の作画遊蕩』で提供した造語】の話はしておきたいですね。押山くんはレイアウトラフ原制との両方を経験してきただろうから、それぞれのメリットとデメリットを、小島くんも交えて具体的に聞いてみたい。
アニメーションの理想像を目指して
――最後に、井上さんがご登壇されない、8月12日(月・祝振替)のプログラムについても、一言ずつ印象をうかがえるでしょうか?
はじめに「LIVE DRAWING」【注:取材時はまだ情報解禁前でしたが、西田達三さんがキャラクターデザイン・総作画監督を務めた、手塚治虫原作『火の鳥 エデンの花』(23年)のシネマコンサートが今年2024年の12月24日に武蔵野市民文化会館で開催されます。映画の上映に合わせてフルオーケストラが演奏するという豪華コンサートですが、このプログラムではその告知として、西田さんが『火の鳥 エデンの花』に関わるライブ・ドローイングを披露してくださいます】が披露された後、一本目のトークプログラムが、Production I.Gの黄瀬和哉さんとWIT STUDIOの亀田祥倫さんによる「ムサシノがつないだFANTASISTA TALK」。世代も作画スタイルも異なる、キャリア上の接点も薄いお二人が、“武蔵野市”という共通項の力で実現できた初対談です。お二方とも、『井上俊之の作画遊蕩』にもご参加いただきました。
井上 まず亀田くんについては、画面から出るあのすさまじいエネルギーですよね。あれ以上派手にできないんじゃないかというくらいの極限の激しさ。作品としては『鋼の錬金術師(FULLMETAL ALCHEMIST)』(09-10年)に最初に驚いて、その後の『ワンパンマン』(15)や『モブサイコ(100)』シリーズ(16・19・22年)もよかった。見事なものですよね。
――黄瀬さんはいかがですか?
井上 黄瀬に関してはやっぱり幅広さかな。それに、もういい年なのに衰えず、常に新しい表現を模索してるところ。『サイコパス(PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.3 恩讐の彼方に)』(19年)でも、いまだにハッとするような絵作りをしてて。動きもそうですけど、主にセル画的な表現や影のつけ方がうまくて、パターンに陥らない新鮮な表現を見せてくれる。
そんなスタイルの真逆な二人だけど……もし黄瀬の作監回で亀田くんの原画が上がってきたらどうするかは聞いてみたいかな(笑)。実際見てみたい。実にうまいこと直すと思うから。
逆も気になる。黄瀬原画が匿名で上がってきたら、亀田くんはどう直すのか。また黄瀬だと知ったらどう直すのか(笑)。
――続くは、『化け猫あんずちゃん』(24年)の久野遥子監督にご登壇いただく「ロトスコープ」をテーマにしたプログラムになります【注:取材時はまだ、岩井澤健治監督のご登壇は調整中でしたが、オタワ国際アニメーション映画祭で長篇グランプリを獲得した『音楽』(19年)などの制作プロセスのご紹介と、久野監督との対談によって、ロトスコープの可能性を掘り下げていただきます】。
井上 久野さんはマンガ家(『甘木唯子のツノと愛』[KADOKAWA、17年])としても一流ですよね。独特の不可思議な世界観を持ってて、物語を作る力があり、かつ誰にも似ていない。絵も相当よくて、Aプロ(ダクション)っぽさがあったり、それこそ空間の描き方が3DCG的ではない。アニメーションをやるうえで大事な空間把握力が自然とそなわってて、マンガを見るだけでレイアウト能力の高さがわかる。
――久野さんのロトスコープに関してはいかがですか?
井上 ロトスコープの使い方がうまいと思う。単に輪郭線をなぞるんではなくて、実写から要素を抽出したような描き方になっているので。作り方としては、ロトスコというより実写参照に近いんじゃないかな?
僕はロトスコープはアニメーションとは別物だという考えだから、本当は久野さんが一からイマジネーションだけで描いた映像が観てみたい。でも久野さんの作品は、絵を描ける人がロトスコを手法として活用したものだと思うから、とても好ましく観ていますね。
――最後に劇場版『ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉 』の山本健監督と『ファーストライン』のちな監督による「新時代の作画――美術・撮影・3DCG」。ともにアニメーター出身で、アニメーションMVを手がけたのち、2024年に初の劇場作品を発表した、90年代生まれの新時代若手監督同士の対談になります。ちな監督はまさにFANTASISTAをモチーフにした『ファーストライン』を手がけられましたが、山本監督もアニメーターデビュー当時は押山清高監督の薫陶を受け、その後Production I.G(武蔵野市)では黄瀬和哉さんの弟子だったりと、今回のプログラムを象徴する存在でもあります。
井上 山本くんとちなくんはまさに今をときめく若手の代表で、これから時代を背負っていく監督たちだと思いますね。そんな二人が、現状をどう思ってるのかは気になる。今のアニメのビジュアル、制作システム、作画のあり方。それらをよしと思っているのか、何か違うものを目指すべきだと思っているのか。
――ちな監督の『ファーストライン』からはカウンターの意識を感じますよね。『ルックバック』とも通じるビジュアル感覚。
井上 そうですね。流行とは意識的に違うものを出してきていて、そこはとても頼もしいし好ましく思える。ただ僕は単にカウンターを出せばいいと思ってるわけではなくて、特に若手には何より、自分の理想像を追求してほしいんですね。目指すべきビジュアルの理想像みたいなことについて、アニメーターとして、監督として二人がどう考えているのかは、話してほしいし聞いてみたい。
その意味で、このイベントが僕や黄瀬みたいなすでに名を成した人たちばかりでなく、久野さんや山本くんやちなくんのような、これから日本のアニメ界を担っていく人材が登壇する場になってるのは、とてもいいことだと思う。僕は未来に向けた話が聞きたいし、そういう人たちと議論が交わせるなら、意見を戦わせにまた出てもいいと思える。
押山くんや小島くん、亀田くんや今村くんのような今のアニメ界を背負ってる人たちもそうですけど、お互いに礼賛し合うだけではなくて、忌憚なく意見を交わし合う場になってほしいですね。
LIVE SAKUGA
『彼女の想いで』
入場無料(白手袋は有料)
[プログラム紹介]
本イベントの最初のプログラムとして「LIVE SAKUGA」と銘打ち、STUDIO 4℃(武蔵野市)制作『彼女の想いで』の実際のカットをもとに、井上俊之さんの作監修正を使って、不足していた動画を4時間かけて描き上げる、制作実演プログラムを開催します。併せて原画、作監修正、セルなど、『彼女の想いで』の生の制作素材を展示。スタッフの誘導のもと、白手袋をご購入の方はそれらに実際に“触れる”ことができる体験コーナーも設置します。
「ANIME FANTASISTA JAPAN 2024」開会式
&
FEATURING 『井上俊之の作画遊蕩』
井上俊之+今村亮「『彼女の想いで』から考える」& サイン会
[チケット]前売り1,800円/当日2,300円
ぴあURL:https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2430174
[登壇者]
井上俊之(『彼女の想いで』キャラクターデザイン・作画監督)
今村亮(『お兄ちゃんはおしまい!』キャラクターデザイン・総作画監督)
[プログラム紹介]
『井上俊之の作画遊蕩』(KADOKAWA、2024年)の中でも、井上俊之氏が自身の代表作の一つとして挙げ、また同時に転換点だと語る『彼女の想いで』。本作は大友克洋氏の製作総指揮・総監督のオムニバス映画『MEMORIES』の中の一編でありSTUDIO 4℃(武蔵野市)の初元請作品でもあります。
そんな『彼女の想いで』を「最も好きなアニメーション作品」として挙げる今村亮氏は、そこにどのような魅力を見出したのか。世代の異なる二人が、今『彼女の想いで』からこれからの作画を考えます。
※17時より、物販にてサイン入り『井上俊之の作画遊蕩』をご購入の方を対象に、宛名・日付を入れる井上俊之サイン会を、『今村亮ラクガキ画集』(スタイル、2024年)をご持参の方を対象に、今村亮サイン会を行います。
[登壇者プロフィール]
井上俊之(いのうえ・としゆき)
1961年生まれ。アニメーター。『AKIRA』『魔女の宅急便』『人狼 JIN-ROH』『パプリカ』『電脳コイル』『おおかみこどもの雨と雪』『さよならの朝に約束の花をかざろう』『君たちはどう生きるか』『ルックバック』など代表作多数。現在はスタジオジブリ所属。著書に『井上俊之の作画遊蕩』(KADOKAWA、2024年)など。
今村亮(いまむら・りょう)
1986年生まれ。アニメーター。『お兄ちゃんはおしまい!』や『生徒会にも穴はある!』CMアニメーションでキャラクターデザイン・総作画監督を務める。アニメーターとしての代表作に『さよなら絶望先生』『化物語』『魔法少女まどか☆マギカ』『おそ松さん』など。著書に『今村亮ラクガキ画集』(スタイル、2024年)。
FEAUTURING『井上俊之の作画遊蕩』
井上俊之+押山清高+小島崇史「『フリップフラッパーズ』から『ルックバック』へ――理想の制作システムをめぐって」
[チケット]前売り2,800円/当日3,200円
ぴあURL:http://ticket.pia.jp/pia/event.ds?eventCd=2430178
[登壇者]
井上俊之(『ルックバック』原動画、『フリップフラッパーズ』原画)
押山清高(『フリップフラッパーズ』『ルックバック』監督)
小島崇史(『フリップフラッパーズ』キャラクターデザイン・総作画監督)
[プログラム紹介]
押山清高監督のもと、“描く人”たちを主人公に今話題沸騰中の劇場中篇『ルックバック』。その押山氏の初監督作品『フリップフラッパーズ』は、Studio 3Hz(武蔵野市)で制作されました。
また『フリップフラッパーズ』でキャラクターデザイン・総作画監督を務めたアニメーター・小島崇史氏は、サイエンスSARU(武蔵野市)で『きみと、波にのれたら』『平家物語』、そして新作『きみの色』でキャラクターデザイン・(総)作画監督を務めています。
井上俊之氏を含めた三人のFANTASISTAたちが共通して関わる『フリップフラッパーズ』と『ルックバック』。この二作を起点に、これからの作画表現、そして『井上俊之の作画遊蕩』(KADOKAWA、2024年)で問題提起された理想の制作システムをテーマに2時間語り合います。
[登壇者プロフィール]
井上俊之(いのうえ・としゆき)
1961年生まれ。アニメーター。『AKIRA』『魔女の宅急便』『人狼 JIN-ROH』『パプリカ』『電脳コイル』『おおかみこどもの雨と雪』『さよならの朝に約束の花をかざろう』『君たちはどう生きるか』『ルックバック』など代表作多数。現在はスタジオジブリ所属。著書に『井上俊之の作画遊蕩』(KADOKAWA、2024年)など。
押山清高(おしやま・きよたか)
1982年生まれ。アニメーション監督、アニメーター。『フリップフラッパーズ』でTVシリーズ初監督、その後アニメーション制作会社スタジオドリアンを設立し、『SHISHIGARI』『ルックバック』を監督。著書に『作画添削教室 神技作画シリーズ』『押山式作画術 神技作画シリーズ』(KADOKAWA、2019/21年)がある。
小島崇史(こじま・たかし)
1986年生まれ。アニメーター。『フリップフラッパーズ』『きみと、波にのれたら』『映画ドラえもん のび太の新恐竜』『平家物語』などでキャラクターデザイン・総作画監督を務める。最新の仕事に『きみの色』キャラクターデザイン・作画監督。
LIVE DRAWING
『火の鳥 エデンの花』
西田達三
入場無料
[登壇者]
西田達三( 『火の鳥 エデンの花』キャラクターデザイン・総作画監督)
[プログラム紹介]
2024年12月24日(火)クリスマス・イブの夜、『火の鳥 エデンの花 シネマ・シンフォニー』が武蔵野市民文化会館にて開催されます。大スクリーンでの映画上映に合わせ、映画音楽を担当した松村崇継の指揮のもと、群馬交響楽団によるフルオーケストラが音楽を生演奏で贈ります。
その開催を記念して、映画『火の鳥 エデンの花』でキャラクターデザイン・総作画監督を務めたアニメーター・西田達三氏が関連イラストをライブ・ドローイング!
当日の時間次第では、ご来場者からのリクエストコーナーも……!?
[登壇者プロフィール]
西田達三(にした・たつぞう)
1979年生まれ。アニメーター。『火の鳥 エデンの花』キャラクターデザイン・総作画監督。『鉄コン筋クリート』『ムタフカズ』『漁港の肉子ちゃん』とSTUDIO4℃作品にアニメーターとして多数参加、『海獣の子供』では筆頭原画としてクレジットされた。他、『サマーウォーズ』アクション作画監督、『バケモノの子』作画監督(山下高明と共同)など。
MUSASHINO FANTASISTA SESSION
黄瀬和哉+亀田祥倫「ムサシノがつないだFANTASISTA TALK」
[チケット]前売り2,300円/当日2,800円
ぴあURL:http://ticket.pia.jp/pia/event.ds?eventCd=2430180
[登壇者]
黄瀬和哉(『機動戦士パトレイバー the Movie』作画監督)
亀田祥倫(『犬王』総作画監督)
[プログラム紹介]
世代も作画スタイルも大きく異なる、二人のスーパーアニメーター、黄瀬和哉氏と亀田祥倫氏。これまでのキャリアに接点らしきものが見当たらないこの二人のFANTASISTAの間に、Production I.GとWIT STUDIOに所属=“武蔵野市のアニメスタジオ”という共通項が生まれたことではじめて実現したスペシャル対談。90分の作画トークの後半では、会場に開いた質疑応答も。
[登壇者プロフィール]
黄瀬和哉(きせ・かずちか)
1965年生まれ。アニメーター、アニメーション監督。『機動戦士パトレイバー the Movie』『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』などで作画監督を務める。監督作に『攻殻機動隊ARISE』など。Production I.G所属。
亀田祥倫(かめだ・よしみち)
1984年生まれ。アニメーター。『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』の仕事で注目を集め、『モブサイコ100』シリーズではキャラクターデザイン・作画監督を担当。『犬王』では総作画監督を務める。WIT STUDIO所属。
FANTASISTA SEMINAR
久野遥子+岩井澤健治「ロトスコープの現在2024」
[チケット]前売り2,300円/当日2,800円
ぴあURL:http://ticket.pia.jp/pia/event.ds?eventCd=2430181
[登壇者]
久野遥子(『化け猫あんずちゃん』監督)
チーム『化け猫あんずちゃん』(
岩井澤健治(『音楽』監督)
[プログラム紹介]
山下敦弘監督が撮影した実写映像をもとに、久野遥子監督がロトスコープで制作し、カンヌ国際映画祭「監督週間」に選出された公開中の新作『化け猫あんずちゃん』。そしてオタワ国際アニメーション映画祭長篇コンペティション部門グランプリを受賞した、吉祥寺国際アニメーション映画祭の常連でもある岩井澤健治監督によるロトスコープ長篇『音楽』。
この二作品における実際の制作素材をもとに、これまでもロトスコープを駆使してきた久野監督と岩井澤監督が、それぞれの手法と表現を紹介。またその発表を受け、ロトスコープの現在について両監督が語り合います。
[登壇者プロフィール]
久野遥子(くの・ようこ)
1990年生まれ。アニメーション作家・イラストレーター・漫画家。多摩美術大学の卒業制作『Airy Me』が国内外で認められ、岩井俊二監督『花とアリス殺人事件』でロトスコープアニメーションディレクターを担当。『ペンギン・ハイウェイ』『映画クレヨンしんちゃん』などに主要スタッフとして参加。『化け猫あんずちゃん』が長編初監督作品となる。
チーム『化け猫あんずちゃん』/平井あかね(ひらい・あかね)
1996年生まれ。多摩美術大学在学中に、柳田亮輔・山口真依と『アンクレットと蒼い海』を共同制作。卒業制作『かぜの日』で学生CGコンテスト評価員賞を受賞。シンエイ動画にアニメーターとして入社し、『魔女のお届けもの ヨーロッパバーガーズ』CMにて演出・原画を担当。『化け猫あんずちゃん』では作画監督補佐、レイアウト、原画として参加した。
岩井澤健治(いわいさわ・けんじ)
1981年生まれ。アニメーション監督。’08年に短篇アニメーション「福来町、トンネル路地の男」を発表。ロトスコープを用いた長篇第一作『音楽』では、第43回オタワ国際アニメーション映画祭長篇コンペティション部門グランプリを受賞。現在は新作『ひな』『ひゃくえむ。』を準備中。
山本健+ちな「新時代の作画――美術・撮影・3DCG」
[チケット]前売り2,300円/当日2,800円
ぴあURL:http://ticket.pia.jp/pia/event.ds?eventCd=2430183
[登壇者]
山本健(劇場版『ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉』監督)
ちな(『ファーストライン』監督)
[プログラム紹介]
大人気シリーズの初の劇場版『ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉』の山本健監督と、アニメの制作現場を舞台にまさにFANTASISTAをモチーフとした短篇『ファーストライン』のちな監督。アニメーター出身で、アニメーションMVを手がけた後、2024年に初の劇場作品を発表した、90年代生まれの新時代の監督たちによる初対談です。
ただそうした共通項の一方で、両監督の美意識にはいくつか違いが見られます。作画と美術・撮影・3DCGはどのような関係を切り結ぶべきなのか。10年代に業界入りしたお二人の経歴を紐解くとともに、新時代の監督が見据える、これからのアニメ表現に迫ります。
[登壇者プロフィール]
山本健(やまもと・けん)
1992年生まれ。アニメーション監督・演出・アニメーター。監督作に劇場版『ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉』、Eve「約束」MVほか。近年は主にコンテ・演出業務が中心。2024年8月現在、TVアニメの監督作を準備中。
ちな
1996年生まれ。アニメーション監督、アニメーター。TOHO animation STUDIO所属。監督作に、まふまふ「それを愛と呼ぶだけ」MV、『でたらめな世界のメロドラマ』(「TOHO animation ミュージックフィルムズ」)、『ファーストライン』(『GEMNIBUS vol.1』)。
参加費用:¥500/グループ参加 ¥300/個人参加
場所:ROOM ONE(ホテル7F)
[講師]
西野理惠
[プログラム紹介]
アニメのキーとなる「絵」=原画とその間を埋めていく「中割り」=動画の描き方をアニメーターに教えてもらいながら、自由に描いてアニメにして動かしてみよう!
[登壇者プロフィール]
西野理惠(にしの・りえ)
1985年アニメ業界に入り、1988年フリーの原画マンとして活動。
主な作品として『はれときどきぶた』『あたしンち』『毎日かあさん』『借りぐらしのアリエッティ』『ゾイドワイルド
最近では『劇場版 呪術廻戦0』『TV 呪術廻戦』『忘却バッテリー』『ライジングインパクト』『終末のワルキューレ』2024年12月20日公開 『劇場版 忍たま乱太郎』に原画で参加。
※iPadなどタブレットをお持ちの方はご持参いただけるとスムーズです
手ぶらでのご参加ももちろん
OKです
※事前予約は入りません
※お一人でもグループでもご参加いただけます
参加費用:無料
場所:ROOM ONE(ホテル7F)
[プログラム紹介]
日本のアニメスタジオではデジタル化が進み、原画、動画工程において、デジタルデバイスを使って作画をするアニメーターが増えています。その中でもアニメ制作スタジオで一番採用されている、ペンタブレットの老舗メーカーのワコム製の液晶ペンタブレットを使って実際にスタジオで使用されているCLIP STUDIO PAINTを使って、デジタル彩色、描画の体験をしよう!